魔法にかけられて

Enchanted/G 公開中
★=20点 ☆=10点
★★★★(TK)
ディズニーの新境地
実写とアニメーションを融合させたセルフ・パロディー満載のファンタジー・ロマンス
ディズニー映画と言えばアニメーション。『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』などの名作をいくつも残しているが、『トイ・ストーリー』以来、CGアニメが主流になり、セル画を使うディズニーのアニメはすっかり過去のものとなってしまった。もちろんディズニーは『Mr.インクレディブル』『ファインディング・ニモ』など、CGアニメも配給しているがあくまでも配給で、製作はすべてピクサー社。今ではピクサーの名前がすっかり浸透しており、それらをディズニーのアニメと呼ぶ人は少ないだろう。さらにライバルであるドリーム・ワーク社がディズニーの過去のアニメをパロディーにした『シュレック』を大ヒットさせてからは、その存在はさらに影が薄くなってしまった。
今回紹介する映画はそのディズニー映画の『魔法にかけられて』。おとぎの国 、アンダレーシアに住む心優しいプリンセス・ジゼルが主人公。彼女は、王子様との結婚式の当日に、魔女に騙されて世にも恐ろしい世界へと追放されてしまう…。そこはなんと、現代のニューヨークだった ! そこで彼女は、バツイチで子持ちの弁護士と知り合うが、彼は夢や魔法を信じない現実的な性格。そしてジゼルの婚約者、エドワード王子が彼女を救うべくやって来る。さらに、魔女も彼女を追ってきて、ニューヨークの街は大混乱に…。
いきなり昔の手書きセル・アニメで始まり、それがニューヨークのシーンでは実写に変わるのだが、映像だけでなく、今までの常識をくつがえすというか、時代は変わったというか、ついにディズニーがセルフ・パロディーを始めてしまった ! そう、『シュレック』でディズニーではできないからこそ笑えた『白雪姫とシンデレラの喧嘩』みたいなシーンを堂々と本家がやってしまった感じだ。冒頭のコテコテのセル・アニメのシーンで緑の怪物が出てきたり、『シュレック』で売られた喧嘩をこの映画で買ったような展開にニンマリ。

もちろんディズニーとしての最低限の品格は保っており、まさにホリデー・シーズンにふさわしいファミリー・ムービー。歌あり、ダンス・シーンありで、お子様より、ディズニーの黄金時代を知っている、お母さんの方が喜ぶかも ? だって「毒リンゴ」に「真実のキス」「華麗な舞踏会」と、『白雪姫』『眠れる森の美女』『シンデレラ』『リトル・マーメイド』『美女と野獣』など子どものころワクワクして見たディズニー・アニメを知っていれば知っているほど楽しめる内容。ナレーターがジュリー・アンドリュースだったり、過去のディズニーの映画に由来する名前や人物がいくつも散りばめらているのもポイント。
主人公のジゼルを演じるエイミー・アダムズの“お姫様キャラ”も笑えるし、あの『X-MEN』で消えていくかと思われたジェームズ・マースデンの白馬の王子様ぶりもハマっていた(彼、宝塚風の衣装を身にまとい、『ヘアスプレー』に続いて、またまた歌っています)。さらに、『グレイズ・アナトミー』のパトリック・デンプシーとプリンセスのラブ・コメ風の要素も入っており、誰にでもお薦めできる1本。