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2008年03月07日

ビー・カインド・リワインド

今月のムービー・レビュー
Be Kind Rewind/PG
3月20日公開予定
★=20点 ☆=10点

ジャック・ブラック主演の
手作り感覚あふれる
ハートウォーミングなコメディー

★★★★(TK)

 全米脚本家組合のストの影響で、開催そのものが心配された今年のアカデミー賞だったが、無事例年通り行われた。一部、サプライズもあったものの、ほぼ予想通りの結果で、1作品に集中することなく、まんべんなく評判の良かった作品が選ばれたと思う。
 今回紹介する映画は、そのアカデミー賞とはまったく関係のない作品だが、映画が好きな人にとっては、大好きになる映画だろう。
 舞台はニュージャージーのレンタル・ビデオ屋(!?)。そう、ビデオ ! 今さら、ビデオで映画なんて観る人いるの ? って感じだけど、下町のお年寄りや、テクノロジーについていけない人など、それなりに需要はあって、お客さんはいるけど、やはり半分つぶれかけている。その店で働くマイク、その彼の友人ジェリーが、あることで体に磁気を帯びてしまい、そのため店の中のすべてのビデオ・テープが壊れてしまう。そこへ常連客の年配の婦人がやって来て『ゴースト・バスターズ』のビデオを借りようとするが…。困った2人は、古いビデオ・カメラを使って自分たちで『ゴースト・バスターズ』をリメイクすることを思い付く。「どうせ、おばあちゃんだし、分かりっこない!」ということで…。
 主演がジャック・ブラックってことで、相変わらずの怪演 ! 彼のリメイクする映画が、ほんと笑える。結局、その『ゴースト・バスターズ』が評判を呼んで、『ロボコップ』『ラッシュ・アワー』『ライオン・キング』、そして『2001年宇宙の旅』まで彼らがビデオで撮影することになるけど、当然、制作費なんてないのでアイデア勝負。公園のジャングルジムで『ラッシュ・アワー』を作ってみたり、本物のマシュマロで、『ゴースト・バスターズ』のマシュマロマンを作ってみたり。この、アイデア勝負ってところが、最近の“安易に何でもCG”って風潮を強烈に批判している。そう、昔の映画は映像にできないものを、なんとか観る人に想像してもらうよう創意工夫を凝らして撮影されていた。2人がリメイクする映画には、そういったアイデアがいっぱい詰まっている。

今月のムービー・レビュー

 しかし、それ以上に最近のYouTubeの流行もかなり影響しているように思う。 YouTubeでは、手軽にお金をかけず、アイデアのみで成り立っている映像がいくつもある。映画の中では、彼らの作った『ゴースト・バスターズ』を苦し紛れに“Sweding(スウェーデン製)”と呼んだことから、既に YouTubeでは、映画のように段ボールなどを使って作ったさまざまな映画の画像が「Sweding/Sweded」とタグが付けられて投稿されている。
 笑って、笑って、ホロッとさせられて…。昔、自分がワクワクしながら映画館の暗がりの中で、目をキラキラさせてゴジラ映画を見ていたころを思い出してしまった。
 大好きな『エターナル・サンシャイン』の監督、ミシェル・ゴンドリーの新作は、この映画の中でリメイクされるオリジナルを知っている年代には、特にお薦め(「悪魔の赤ちゃんを産んだミア・ファローが、カワイイおばあちゃんで出演」で分かる人ね)。
 ちなみにタイトルは、レンタル・ビデオを返却する時の注意事項“巻き戻して返却してください”の意味。DVD世代には、分からない言葉かな ?

ビフォー・ザ・デビル・ノウズ・ユーアー・デッド

今月のムービー・レビュー
Before the Devil Knows You're Dead/MA
3月20日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★★(TK)

 お金に困っている兄弟2人。彼らは、なんと両親が経営する宝石店に強盗に押し入ろうと計画する。よく知った店であり、年老いた母は抵抗もせず、現金を差し出すと思われたが…。予定通りにことは進まず、母親は死に、何も知らない父親は犯人に固く復讐を誓うのだった…。既にアメリカのメディア関係では高い評価を受けているクライム・スリラー。しかし、ガリガリのイーサン・ホークと、ポッチャリのフィリップ・シーモア・ホフマンが兄弟である設定に「 ? 」。少しずつキャラクターを見せてゆく展開だが、それにしても時間軸が飛び過ぎ ! 決して悪い作品じゃないけれど、あまりに重すぎる。

デス・デファイング・アクト

今月のムービー・レビュー
Death Defying Acts/PG
3月13日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★★(TK)

“脱出王”の異名をとる伝説のマジシャン、ハリー・フーディーニが、1926年イギリス・ツアーで出会った超能力者のメアリーと恋に落ちるが…。ガイ・ピアース、キャサリン・ゼダ・ジョーンズ、そして娘役に『つぐない』で13歳ながらアカデミー助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンが出演。時代設定とか、なんとなく『プレステージ』と『イリュージョニスト』に被っているけど、もっと主演2人の恋の駆け引きにフォーカスが当てられていて、スリラーと言うよりロマンスに近い感じ。イギリスとオーストラリアの合作で、冒頭にちょっとだけシドニーのシーンもあり。

紀元前1万年

今月のムービー・レビュー
10,000 BC/M
3月6日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★(AKE)

『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』のローランド・エミリッヒ監督の新作は、紀元前1万年が舞台。誰も知らない紀元前1万年なんで、なんでもアリ状態。ストーリー・ラインはメル・ギブソンの『アポカリプト』に限りなく近く、話題になっているマンモスのシーンはすごいけど、映画全体から見れば特撮シーンはほんの一部。後は、ひたすら雪山か、砂漠を歩いているだけ ! おまけに流暢な英語を話すは、通訳はいるは、エミリッヒお得意の演説シーンはあるはで、どうなんでしょうコレ ? 設定を紀元前1万年にした理由が分からない。この話だったら、ほかの時代でもOKじゃない ?

キング・オブ・コング

今月のムービー・レビュー
The King of Kong/PG
公開中
★=20点 ☆=10点

★★★★(TK)

 80年代に大流行したアーケード・ゲーム「ドンキーコング」。この「ドンキーコング」の得点記録を叩き出したのがビリー・ミッチェル。彼の記録は20年もの間破られることはなかったが、そこに登場したのが学校教師のスティーブ。この2人の「ドンキーコング」の世界最高得点を競う戦いが始まる…。まあ、いい歳をしたオタクのドキュメンタリーなんだけど、この2人のキャラの対比が強烈で、まるで映画のよう ! アーケード・ゲームにもレフリーがいたり、たかがテレビ・ゲームとは言えないような駆け引きなど、思った以上におもしろく興味深いドキュメンタリー。ゲームのことを知らなくても十分楽しめます !