ビー・カインド・リワインド

Be Kind Rewind/PG
3月20日公開予定
★=20点 ☆=10点
ジャック・ブラック主演の
手作り感覚あふれる
ハートウォーミングなコメディー
★★★★(TK)
全米脚本家組合のストの影響で、開催そのものが心配された今年のアカデミー賞だったが、無事例年通り行われた。一部、サプライズもあったものの、ほぼ予想通りの結果で、1作品に集中することなく、まんべんなく評判の良かった作品が選ばれたと思う。
今回紹介する映画は、そのアカデミー賞とはまったく関係のない作品だが、映画が好きな人にとっては、大好きになる映画だろう。
舞台はニュージャージーのレンタル・ビデオ屋(!?)。そう、ビデオ ! 今さら、ビデオで映画なんて観る人いるの ? って感じだけど、下町のお年寄りや、テクノロジーについていけない人など、それなりに需要はあって、お客さんはいるけど、やはり半分つぶれかけている。その店で働くマイク、その彼の友人ジェリーが、あることで体に磁気を帯びてしまい、そのため店の中のすべてのビデオ・テープが壊れてしまう。そこへ常連客の年配の婦人がやって来て『ゴースト・バスターズ』のビデオを借りようとするが…。困った2人は、古いビデオ・カメラを使って自分たちで『ゴースト・バスターズ』をリメイクすることを思い付く。「どうせ、おばあちゃんだし、分かりっこない!」ということで…。
主演がジャック・ブラックってことで、相変わらずの怪演 ! 彼のリメイクする映画が、ほんと笑える。結局、その『ゴースト・バスターズ』が評判を呼んで、『ロボコップ』『ラッシュ・アワー』『ライオン・キング』、そして『2001年宇宙の旅』まで彼らがビデオで撮影することになるけど、当然、制作費なんてないのでアイデア勝負。公園のジャングルジムで『ラッシュ・アワー』を作ってみたり、本物のマシュマロで、『ゴースト・バスターズ』のマシュマロマンを作ってみたり。この、アイデア勝負ってところが、最近の“安易に何でもCG”って風潮を強烈に批判している。そう、昔の映画は映像にできないものを、なんとか観る人に想像してもらうよう創意工夫を凝らして撮影されていた。2人がリメイクする映画には、そういったアイデアがいっぱい詰まっている。

しかし、それ以上に最近のYouTubeの流行もかなり影響しているように思う。 YouTubeでは、手軽にお金をかけず、アイデアのみで成り立っている映像がいくつもある。映画の中では、彼らの作った『ゴースト・バスターズ』を苦し紛れに“Sweding(スウェーデン製)”と呼んだことから、既に YouTubeでは、映画のように段ボールなどを使って作ったさまざまな映画の画像が「Sweding/Sweded」とタグが付けられて投稿されている。
笑って、笑って、ホロッとさせられて…。昔、自分がワクワクしながら映画館の暗がりの中で、目をキラキラさせてゴジラ映画を見ていたころを思い出してしまった。
大好きな『エターナル・サンシャイン』の監督、ミシェル・ゴンドリーの新作は、この映画の中でリメイクされるオリジナルを知っている年代には、特にお薦め(「悪魔の赤ちゃんを産んだミア・ファローが、カワイイおばあちゃんで出演」で分かる人ね)。
ちなみにタイトルは、レンタル・ビデオを返却する時の注意事項“巻き戻して返却してください”の意味。DVD世代には、分からない言葉かな ?