ゴーン・ベイビー・ゴーン

Gone Baby Gone/MA
4月17日公開予定
★=20点 ☆=10点
★★★(Kit)
2003年に公開された『ミスティック・リバー』。監督は俳優でもあるクリント・イーストウッドで、アカデミー賞では、作品賞など6部門でノミネートされた話題作。その原作者、デニス・ルヘインのハードボイルド作品『私立探偵パトリック&アンジー』シリーズの『愛しき者はすべて去りゆく』が映画化されたが、監督はなんと俳優のベン・アフレック !
その『ミスティック・リバー』で、アカデミー賞を受賞したショーン・ペンも、昨年『イントゥー・ザ・ワイルド』を監督していて、ここ最近、俳優が監督するのが流行のようだ。
今回の『ゴーン・ベイビー・ゴーン』は、ベン・アフレックの初監督作品になり、主演は弟のケイシー・アフレックと、兄弟映画。『ミスティック・リバー』を観た人なら分かると思うが、この映画も『ミスティック・リバー』同様、かなり重い映画だ。
ストーリーは、ボストンが舞台。ある少女が誘拐され、その叔母と叔父が私立探偵のパトリックと、そのガール・フレンドであり助手でもあるアンジーに調査を依頼する。その少女の母親は仕事もぜす、麻薬に溺れ、子どもの面倒などろくに見ることもしない酷い母親だった。そして、依頼を引き受けた2人は、地元出身のコネを使って捜査を続けるうちに意外な事実を発見する…。

ベン・アフレックは、ボストン出身ということで、この原作を選んだと思われるが、同じ原作で、舞台も同じボストンの『ミスティック・リバー』が成功しているだけに、その成功にあやかろうとしているのではと疑ってしまう。もともと、俳優としてのベン・アフレックはあまり好きではない。どうも彼が出てくると映画のランンクが下がるというか、B級臭が漂ってしまう。
今回は弟のケイシーが主役だが、正直お兄ちゃんよりかなりいい ! このところブラピの『ジェシー・ジェームズの暗殺』など、出演作が続いていて、注目の若手俳優だ。特に目立つ顔立ちでもなく、ごくごく普通のそこらを歩いてる若者という感じで、このようなどちらかというと地味な映画にはなじんでいる。俳優としてはお兄ちゃんより活躍しそうだ。
そして、肝心のベン・アフレックの監督としての力量はどうかというと、思ったよりはがんばっているという印象。こういった重いテーマを選ぶこと自体、ちょっと狙った感じがしないではないが、破綻なく手堅くまとめている。メディアの反応も概ね好評のようだ。
ただ、個人的には『ミスティック・リバー』と同様、後味の悪さが気になる。自分は、ラストで主人公のとった行動にはどうしても共感できず、最後になって主人公を見放してしまった。映画全体のトーンも暗く、ハッピー・エンドでもなく、批評家受けはいいかもしれないが、多くの人を満足させるのは難しいかも?