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2008年05月12日

エル・オルファナート

今月のムービー・レビュー
The Orphanage /MA
5月29日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★★★(Kit)

『パンズ・ラビリンス』の
ギレルモ・デル・トロが製作した
感動系ホラー・スリラー

 昨年のアカデミー賞でも話題となった『パンズ・ラビリンス』。その監督、ギレルモ・デル・トロが製作したホラー・スリラーが、今回紹介する『エル・オルファナート』。監督は、そのギレルモ・デル・トロと長い付き合いのフアン・アントニオ・バヨナで、彼にとって初監督作品となる。
 タイトルのエル・オルファナートとは、スペイン語で孤児院の意味。ストーリーは、昔、海沿いの孤児院で幼少期を過ごしたラウラが主人公。彼女は里親に引き取られ、その30年後に夫のカルロス、息子シモンとともに、長い間使われていなかったその孤児院に再びやって来る。彼女は、その孤児院を買い取り、そこを障害の持つ子どもたちの施設にしようと、家族と住みながら準備を始める。引っ越したころから、息子のシモンは彼にしか見えない友達と遊ぶようになり、そして、 障害のある子どもとその親たちを招いてのパーティーの最中、彼はこつ然と消えてしまう…。
 これが、けっこう怖い ! というか、かなり日本のホラーに近い感じ。霊媒師が出てきたり、それを別の部屋でテレビ・モニターでチェックしたりと、日本のホラーを見慣れた人だったら似通った演出が出てきて楽しめるはず。あのアメリカで日本のホラーのリメイク・ブームのきっかけを作った『ザ・リング』がどんなに雨を降らせても、さすがアメリカ映画、カラカラに乾いていたけど、今回の『エル・オルファナート』、スペイン映画ということで、かなりジメジメ感があるのもいい。 昔の孤児院が舞台ということで、このあたりも、日本で夏の遊園地のお化け屋敷のテーマに選ばれても不思議ではないぐらい、日本的だ。


今月のムービー・レビュー

 もちろん舞台はスペインの田舎町だけど、映画全体を覆う格調ある雰囲気や、どんよりとした美しい風景、叙情的なテーマと、アメリカのホラーでは到底表現できない、日本人の感覚にも十分訴えてくるホラー。「だるまさんが転んだ」なんて、日本だけの遊びかと思ってました !
 ただ、母性愛を強調しているので、どうしても 日本映画『仄暗い水の底から』にも、また、ブラジル出身のウォルター・サレスが監督したそのリメイク版『ダーク・ウォーター』にも似ているし、ニコール・キッドマンの『アザーズ』にも似ているように感じてしまったのは残念。しかし、ジワジワとくる恐怖に、ショッキングなシーンの挟み方がうまく、初監督でここまでまとめ上げたのはさすが。すぐにでもハリウッドから声がかかりそう。
 孤児院の秘密が少しずつ暴かれていくスリルにホラーの要素を混ぜ、さらに感動的な内容と、怖いだけではなく深みのある作品になっていて、ちょっと肌寒くなってきた今の時期にピッタリの映画。お薦めです !

シャーク・ウォーター

今月のムービー・レビュー
Shark Water/PG
5月15日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★(TK)

 小さなころからサメが大好きだったロブ・スチュワート。彼が、いかにサメが間違ったイメージで人々に捉えられているかを、海中の美しい映像とともに解説する海洋ドキュメンタリー。特にサメを抱きかかえている映像はオドロキ ! ほんと、サメが好きで好きでしょうがないのが伝わってくる。一方、映画後半は高級食材フカヒレとして高値で売買されるサメのヒレの密漁や乱獲について、かなりショッキングな映像で訴える。そして、彼が船を体当たりさせるなどの活動で有名なポール・ワトソンと組んだ時点で、興味がそがれてしまった。もっと別の行動をとることもできただろうに…。前半と後半の落差が大きい…。

ゼン・シー・ファウンド・ミー

今月のムービー・レビュー
Then She Found Me/M
5月8日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★★☆(PH)

『恋愛小説家』でアカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ハントが初監督・主演・脚本まで参加した作品。原作はエリノア・リプマンの「見つかっちゃった」。40歳近くになるエイプリルは、ようやく結婚できかたと思えば、旦那から結婚は間違いだったと言われ、育ての母親が亡くなったかと思えば、会ったこともない実母が急に現れたりと、人生が急変する…。普通のオッチャン役がハマっていたコリン・ファースのほか、ベット・ミドラー、マシュー・ブロデリックと意外と豪華な出演陣。30代〜40代の女性の共感を呼びそうな内容で、お薦め。ヘレン・ハントの顔がオバさんだったり、綺麗だったり、いったいどっちが本当の彼女 ?

アイアン・マン

今月のムービー・レビュー
Iron Man/PG
5月1日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★☆(mie)

 大企業の社長で科学者のトニー・スターク(ロバード・ダウニーJr)は、地雷を踏んで心臓に大怪我を負ってしまう。助けてもらう代わりに新兵器の開発を強要されるが、ペースメーカー兼パワースーツを開発し、窮地を切り抜ける。その後自らヒーローとして活躍し始めるが、億万長者として生きてきたトニーにはもっと大きな敵がいて…というストーリー。コミックを元にしたヒーローものという点では「スパイダーマン」や「ファンタスティック4」と同じ系統なので、アメリカ的「ヒーローゆえの苦悩」や、特殊効果が目立ちすぎる作品が苦手という人にはお薦めしませんが、エンターテイメントとしては秀作。

近距離恋愛

今月のムービー・レビュー
Made of Honor/M
5月1日公開予定
★=20点 ☆=10点

★★☆(KUI)

 大学時代に知り合ったトムとハンナ。もう10年にもなる大親友の間柄。それが、出張から帰ってきたハンナが婚約者を連れてきたことから、2人の関係が微妙に変化する。そして彼女は、トムに普通は女性が務める花嫁付添い人になって欲しいと頼んできた…。何でも相談できて、いつも一緒にいるハンナ、大親友だと思っていたけれど、実は彼女こそが自分にふさわしい女性と気付いたトム。さて、トムは自分の気持ちを彼女に告白することができるのか ? と、まあ、心配する必要もないほど定番のストーリー・ライン。このところ映画への露出の多い、ドクター・トリック・デンプシー、第2のジョージ・クルーニーになれるか ?